第1回「パーキンソン病からの復活」「歩く」を考える

単純に歩くと言っても、実は、複合的な動きの組み合わせから出来る動作で、動きの中でも難しいものだと私は思っている。健常者にしてみれば簡単な動作だが、障害のある人にしてみれば、ここに至るまでには幾つもの壁を越えなければいけない大変難しい動作である。

 

その動作を細分化してみると、

 

①立つ

 

②片足を上げる

 

③腕を振る

 

④重心移動

 

大まかに分類するとこのようになるのではないだろうか。

 

まず立てなければ歩くことは出来ない。立つための訓練が必要になってくる。

 

次に、片足を上げる、動かす(腿を引き上げるイメージ)。実際には腿を引き上げて歩く人はいないが、訓練の時点では微妙な高さで足を前に出すことは難しい。片足を上げるということは、もう片方の足に重心を移動しなければいけない。これが難しい。

 

そして、腕を振る。腕を振らなくても歩くことは出来るが、バランスをとるためには振れたほうがいい。最後に前に重心の平行移動。歩けない原因を見つけるために、それぞれの動作を一つ一つ確認することが大切ではないかと考えた。

 

①〜③の訓練に最適なのが、その場での足踏み運動(動体バランス)である。この運動は、ハチドリが羽ばたきながらホバリングするのと同じで、前後左右のバランスを保ちながら足を上げ腕を振りその場に留まることは、歩くことよりも難しいものだと私は思っている。

 

一連の動作が出来たとしても、動体バランス能力が機能低下していたら、脳は身の危険を察し、身体の動きにストッパーをかける。それを無理に動かそうとすると、身体は震え出し、筋肉は硬くなり、痙攣を起こす。リハビリは健常者の筋トレとは違う。力づくや回数ではない。力を込めなくてスムーズに出来る方法を探し、脳にインプットしていけば出来るようになる。

 

これはあくまでも私の考え方である。医学に基づいたものではない。